· 

理想のリハビリテーション像

 

作業療法士の奥村です。当事業所のホームページ、ブログにお越しいただきありがとうございます。

 

皆様は何か悲しい事があったり、辛い経験をした時に一人でふさぎ込んでしまう経験はありませんか?

にも理解されず、誰に相談してよいかもわからない。そのような絶望感を感じた経験はありませんか?

 

この絵はアンパンマンの作者やなせたかしさんの詩画集の一つです。

この絵の天使は私の理想のセラピスト像です。

 

やなせたかしさんは「絶望の隣は希望です!」とおっしゃっています。

 

 

希望と絶望を調べてみると...、

希望「未来に望みをかけること。」

絶望「希望がない様子。希望が経たれた状態。」

 

 

私は20年弱、作業療法士として働いております。

私が関わってきた患者様、ご利用者様の多くは、様々なご希望を話していただけました。

 

 

「身体を治したい。」 「普通に歩けるようになりたい。」 「買い物に行きたい。」 「手が使えるようになりたい。」

「妻に会いたい。」 「働きたい。」 「家族に迷惑かけないようにしたい。」

 

 

私は作業療法士として、皆様のご希望に一つ一つ大切に向き合ってまいりました。

 

 

怪我をされたり、病気になると、障害の有無にかかわらず、問題の大小にかかわらず、自分一人だけでは解決できず、混乱してしまう方も多くおられます。

 

 

「指の骨が折れたから仕事ができない」 「肩が痛くて何もできない。」 「身体がこんな状態だから、人に会いたくない。」「もう家に帰っても迷惑かけるだけだから、死んだほうがまし。」

このようにご自身で解決策が浮かばず、絶望している方が多くみえました。

もし、この絵の中に天使がいなければ、望みが経たれたままの状態になります。

 

私はセラピストとして、皆様にとって、この絵の天使のような存在になりたいといつも思っております。

 

 

セラピストが皆様の問題を一方的に解決することはできません。

対象となる方自身がセラピストをみた時、この絵の天使ように希望かもしれないと認識しなければ、共に前に進むことはできません。

 

私は若い頃、担当していた患者さんには希望を押し付けていたと思います。

 

この天使は希望を押し付けるでもなく、諦めるでもなく、毅然とした態度で、当たり前のように、ふさぎ込んだ人のそばにそっと居ます。

 

自分の存在に気付いてくれるまで、そっと居ます。

 

私たち専門職は知識や技術を押し付けるのではなく、

人生や生活に困っている人に希望の光として気づいてもらえるよう、

優しく、温かく、毅然とした態度で居られるよう、知識・技術を身につけておく必要があります。

 

そして気づいてくれた時に、いつでも解決への方向性をさりげなく示せるよう、常に準備しておくことが大切であると考えています。

 

最後までお読みいただき、有難うございました。また今後ともよろしくお願いいたします。